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中村 幸治; 芳野 隆治; Granetz, R. S.*; Pautasso, G.*; Gruber, O.*; Jardin, S. C.*
プラズマ・核融合学会誌, 78(4), p.347 - 355, 2002/04
トカマク・ディスラプションの際発生する垂直移動現象(VDE)を回避するうえで有利な「中立平衡点」を、国際共同研究によって、JT-60U,Alcator C-Mod及びASDEX-Upgrade トカマクで調べた。米国のAlcator C-Modトカマクでは、キラー粒子を入射することで強制的にディスラプションを発生させ、VDEの様子を調べた。その結果、計算機シミュレーションの結果通り、赤道面から数cm上に「中立平衡点」が存在することを確認した。一方、ドイツASDEX-Upgradeトカマクのディスラプション・データベースを解析し、トカマク装置によってVDEに個性があり明確な「中立平衡点」が存在しないことがわかった。その原因を計算機シミュレーションで調べた結果、ディスラプションの最中生じているプラズマ電流分布の変化が垂直移動現象に強く影響していることを明らかにした。
中村 幸治
プラズマ・核融合学会誌, 77(9), p.843 - 856, 2001/09
ディスラプションを無害化するうえで重要な、プラズマ対向機器の損傷と深く関わっている垂直移動現象(VDE: Vertical Displacement Event)の研究について、現状を解説した。まず、VDEがハロー電流の発生と深く関わるディスラプションの主要現象であることを述べている。さらに最近、VDEの発生機構が明らかにされ、またVDE回避に有利な中立平衡点と呼ぶプラズマ配置がJT-60Uで見つかったことを述べている。同時に、原研とAlcator C-ModやASDEX-upgradeとの間で、VDE回避に関する国際協力関係が進んでいることにふれ、今後期待されるVDE回避の研究について、将来を展望している。
芳野 隆治; JT-60チーム
Proc. of 36th IEEE Conf. on Decision and Control, 4, p.3709 - 3714, 1997/00
JT-60Uにて実証したプラズマ制御実験について示す。(1)定常・非定常状態における多変数非干渉制御によるプラズマ位置・形状の能動制御。(2)消滅速度の遅いプラズマ電流消滅における、能動的なプラズマ位置・形状制御によるプラズマと壁の相互作用の回避。(3)プラズマ電流消滅時に大半のプラズマ電流が高速の電子(逃走電子)で駆動される場合のプラズマ電流の低減とプラズマ位置・形状制御。(4)消滅速度の速いプラズマ電流消滅における、受動的に真空容器等に流れるトロイダル渦電流を用いたプラズマ位置制御(中立平衡点にプラズマの電流中心を設定すれば位置移動が発生しない。)(5)DD核融合反応で発生する中性子の発生率のフィードバック制御などの試み。